土質及び基礎

基礎の支持力の基礎知識

1基礎の支持形式

「基礎」とは上部構造の重量を支持して完全に地盤に伝えるためのもので、その支持形式は基礎先端の地盤条件によって(a)完全支持基礎、(b)摩擦支持基礎、(c)不完全支持基礎に分類される。完全支持基礎は良質な支持層に完全に支持されており、沈下量が少なく安定した基礎となる。

摩擦支持基礎は良質な支持層ではない層に周面摩擦によって支持させる基礎であり、一般的には沈下量が大きくなる。また、支持層の厚さが薄く、その下の弱い層もしくは圧密層の支持力や沈下を考慮する必要がある基礎を不完全支持基礎という。

2直接基礎の支持力

テルツァギーは帯基礎の極限支持力度を式(1)の形で表現できるとした。

q=cNc+γ1BNγ+γ2DfNq

第1項目(ⅽNc)は土の粘着力による支持力

第2項目(γ1BNγ)は基礎底面下の地盤の自重(γ1)及び基礎幅Bに比例する支持力

第3項目(q0Nq)は上載荷重(q0)に関する支持力

基礎が沈下すると、基礎の直下の主動領域も沈下し、それに伴い基礎の周囲の受動領域が上方に押し上がる。それに抵抗するのが基礎地盤の粘着力である。第1項目(ⅽNc)はこの抵抗力を表しており、沈下を抑制する、つまり支持する力となる。

第2項目(γ1BNγ)は基礎地盤が有する単純な支持力である。

上載荷重は基礎の周囲の受動領域の滑り力を増加させる。滑り力は基礎の直下の主動領域を両側から挟み込むように拘束し、基礎の直下の主動領域の沈下に抵抗し、上部構造の重量を支持する。第第3項目(q0Nq)はこの抵抗力を示しており、上載荷重の水平成分Hが両側で釣り合い、基礎の直下の主動領域を拘束するため、基礎地盤を囲むように全方位に載荷されている必要がある。

ここで、支持力式における上載荷重(q0)は、基礎片側の上載荷重であり、全方位の最小値の荷重とする。

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